ショールームのような住宅を求める人がいます。
そうした、建物の内と外が溶け合うような流動的な空間も、周辺の環境が許すならば素敵でしょう。
でも普通の住宅地に立つ住宅は、事情が少し違います。
安全と安心のためには、きちんと「閉じている」ことがまず第一。
でも、閉じ切ってしまっていては、息苦しくて仕方がありません。
だから、安全に閉じたその上で、次はどこをどう「開く」か。
常にそこが問題です。
この住宅の外壁は、鉄筋コンクリートで作られ、さらに分厚い外断熱パネルで包まれています。
どっしりしたその「塊」に、ぽっかり開いた「孔」の様なバルコニーと、そこから空へと登る階段を作りました。
大事なものを包む分厚い両手の掌(たなごころ)が、少し優しく開いたような、
安心感の中の開放感、そんなものを目指した住宅です。
< HOUSE I >
場所:京都府宇治市
竣工:2007年
施工:(株)ウエダ工務店
種類:戸建住宅
構造:RC造
規模:地上2階建て